住まいの相談がありました。
肺炎で入院した方が、医者から、
「カビが原因で肺炎を起こしています。元の家に帰るとまた再発します。引っ越してください。」
と言われたそうです。
新築の集合住宅に入居したが、家が湿っぽく、お風呂にカビが生えるそうです。
原因は、換気扇を24時間動かしていないことです。
今の住宅は、気密性と断熱性が上がっているので、必ず24時間換気が必要です。
カビ・結露の原因はほとんどが換気不足です。
私は建築の仕事をしていた時は、住居とアレルギーの関係を研究していました。
アレルギーの原因で一番の原因はダニアレルギーです。
アレルギーの元になるダニは、人を噛むタイプのつめダニなどではなく、ヤケヒョウヒダニなどの小麦粉くらいの大きさのダニです。
その死がいなどをダストと一緒に吸い込むことで、アレルギーを発症します。
高級と言われるようなハウスメーカーの家にダニが多く、昔ながらの日本家屋にはダニが少ないのです。
ダニ量の測定をしていくと、いろんな法則がわかります。
1階より2階の方がダニが多く、家屋のカーペットにはダニが多く、オフィスのカーペットにはダニはほとんどいません。
2階の方が湿度が高く、オフィスは空調が効いていて湿度がダニの生息域の65%以下に保たれているからです。
通気が湿度を下げる一番の有効な対策で、炭などを置いても効果はほぼゼロでした。
結露も、24時間換気ですぐに止まります。
また、自然素材でできている日本家屋は吸湿性や、通気性に優れていて、高温多湿の日本の風土に適しています。
一方でハウスメーカーの住宅は、床の合板やクロスからホルムアルデヒドなどのガスが出て、免疫機能が壊されてしまいます。
室内の科学物質を測定すると、「ノンホルム」の標示がある建材からも、ホルムアルデヒドが検出されます。
化学物質過敏症とダニ・カビを防ぐためにも、換気が重要です。
家の中で、最も湿度が上がるのがお風呂です。
ユニットバスには換気扇があり、24時間換気ができます。


この換気扇は20W程度の消費電力で、24時間つけっぱなしでも電気代は月50円程度です。
換気扇を回しているお風呂で洗濯物を干すと、カラカラに乾きます。
肺炎の発生まで至った室内のカビの発生は、24時間換気で防ぐことができます。
「電気代がもったいないと思って、すぐ換気扇を切っていました」
ということでした。
日本は世界でも有数の高温多湿の国です。
寒い乾燥した地域の建築工法は、日本には不向きです。
24時間換気は法律でも義務化されました。
ぜひ、活用を。