境界のトラブル 「隣家の軒(のき)が越境してる!」
お隣との境界をめぐっての相談がありました。
隣家が家を建て替えたが、「軒先が越境してこちらに雨水が流れ込む」とのことです。
建築や不動産の売買をめぐって、境界のトラブルほど恐ろしいものはありません。
建築会社や不動産業者のミスは、住人同士のトラブルに持ち越されてしまいます。
今回のケースは、相談者からすれば「お隣が越境した」「お隣の雨水が流れ込む」トラブルです。
まず、境界の問題ですが、こちらには開発業者の作成した古い測量図があります。
お隣には、建築確認申請書で確認を取った測量図があります。
お互いに「図面」があるのですが、実際の境界の認識がずれています。
測量図にもグレードがあるのです。
1)すべての隣地所有者の立会いを得て境界確定された「確定測量図」
2)分筆登記等の際に添付され、登記所に保管される「地積測量図」
3)これらのどれでもない「現況測量図」
今回は双方が(3)のグレードです。
(2)でも相手方の同意がなく、境界杭がなければトラブルがおこります。
今回のケースは、建築会社の境界確認がないまま工事がすすんでしまい、雨水の流入によって気がついた相談者が建築会社に抗議しています。
この会社は最近テレビでもコマーシャルをするようになった業者ですが、かなりレベルの低い会社です。
相談者の抗議に、逆にヤクザのように怒鳴り込んできたそうです。
雨水の排水は経路の確保をやり直させれば解決しますが、境界を確定させようと裁判に持ち込めば解決まで何年もかかることもあります。
建築業者が事前に双方の境界確認をしていれば、このトラブルは避けられたはずです。
素人の住人には本来責任はありません。
お隣の建築工事が始まる場合は、境界確認を必ず事前におこなってください。
大手の建築会社が境界確認のミスで、完成間近の家を取り壊したこともあります。
気になることがありましたら、岡田まで相談ください。
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